January 29, 2012
隣り村に向かっていた神父が、
道中の森の中で巨大で狂暴な熊と出くわした。

恐怖のあまり腰が抜けそうになるも、
背を向けてなんとか逃げ出した。

神父は走りに走った。
肺は酸素を求めて焼け付くようだった。心臓は今にも破裂しそうに思われた。
しかし闇雲に逃げた結果、崖の端に行き当たってしまった。

助かる望みはほとんどない。
他に逃げ道はなく、熊がどんどん迫ってくるのを見て神父は膝まづいて腕を広げ祈った。


「主よ! どうか、この熊の心に信仰をお与えください!」


するとみるみる空が暗くなり、稲光が閃いた!

熊は神父のほんの一メートルばかり手前で不意に止まり、
戸惑ったようにあたりを見回した。

と、突然熊が天を仰ぎ、膝まづいて言った。



「主よ、みめぐみに感謝いたします……」


結局喰われた。